
このページでは糖質制限中の高たんぱく食の目安となるプロテインスコアとその計算方法、それと合わせて実際に何をどれくらい食べれば十分量の良質なたんぱく質が摂れるのか?を解説していきます。
プロテインスコアを元に卵、肉、チーズの良質なたんぱく質量も計算しやすいよう表にまとめています。実際に自分がどれくらい食べればいいか、参考にしていってください。
プロテインスコアについて
まずは一応プロテインスコアについて解説を。
プロテインスコアとは、食品中のたんぱく質の品質を評価するための指標である。1957年にFAOによって提示された。プロテインスコアは、卵および牛乳のアミノ酸組成から導かれている。人体のアミノ酸必要量に基づいていないため、後にアミノ酸スコアとして改訂されることになる。これがアミノ酸スコアと値が違っている理由である。
人体に必要な必須アミノ酸を人体が求めるのと同じ比率で含んでいるたんぱく質=良質として、卵を基準に100点満点でたんぱく質を評価します。
必須アミノ酸9種類が全て足りていれば100点。足りないものがあるとその分たんぱく質を合成できないので、その低いアミノ酸が基準の点数になる…という感じです。仕組みについてはWikipedia – アミノ酸スコアを参照してください。アミノ酸の桶理論とかでなんとなくイメージが掴めるはず。
それはアミノ酸スコアの方が食材の点数が全体的に高く、実際に食べる量を計算する時にプロテインスコアよりも少なめに出てしまうため。実は足りてませんでした…っていうのを避けるために、プロテインスコアで計算するのがおすすめ!ということですね。
プロテインスコア表
食品名 | プロテインスコア | 必要量(g) |
---|---|---|
卵 | 100 | 79 |
シジミ | 100 | 166 |
サンマ | 96 | 52 |
イワシ | 91 | 63 |
マトン | 90 | 68 |
豚肉 | 90 | 83 |
カジキ | 89 | 48 |
アジ | 89 | 56 |
鶏肉 | 87 | 55 |
イカ | 86 | 68 |
チーズ | 83 | 48 |
牛肉 | 80 | 65 |
エビ | 73 | 66 |
米飯 | 73 | 652 |
必要量というのは『良質たんぱく質10g摂取に必要な食品量』です。こちらの表は以下の本から一部抜粋しました。
シジミのみ100点ということで追加してあります。書籍内だと他にもカニ、サケ、うどん、高野豆腐、とうもろこし…などなど載ってるんですが、スコアが高いもの、毎日口にしやすいもので抜粋しています。
ちなみにプロテインスコアを探すためにネットを色々見てみたところ、微妙に数値が違ったりします。部位によっても違うだろうし基準が何かでも違いそうです。
ただ元になるプロテインスコアの表(FAOが作成したもの)はちょっと見つけられませんでした…。もうアミノ酸スコアになっているのでないのかもしれません。もし知ってる方いたら教えてください。
プロテインスコアを用いた『良質な』たんぱく質量の計算方法について
10g摂るために必要な量は表に書いているので必要ないんですが、一応計算方法を知りたいという方のために解説をしておきます。興味ない方は次の見出しまで飛ばしてください。
まず調べたい食品に含まれるたんぱく質量を調べましょう。『○○ たんぱく質』で検索すれば優秀なGoogle先生が速攻答えを返してくれます。こんな感じで。

次に100g中に含まれる良質プロテインを以下の式で計算します。
100g中に含まれる良質プロテイン(A)=100g中に含まれるたんぱく質量×プロテインスコア/100
例えば検索した豚肉(バラ)だと14g、豚肉はプロテインスコア90となっているので、
A=14g(100g中に含まれるたんぱく質量)×90/100
A=12.6g(100g中に含まれる良質なたんぱく質量)
となります。
これは100g中に含まれる量なので、10g摂るのに必要な量を求めるには
10g/A×100=10g摂るのに必要な食品量
豚肉の例だと、
10g/12.6g×100=79.365…
ということで79gぐらい食べれば10gの良質なたんぱく質が摂れるということですね。
シジミも同じように計算して表に入れてます。100点満点の良質なたんぱく質ですが、10g摂ろうと思うと167g。
大体1パック買うと200gとか250gあるから大丈夫…と思いきや、たんぱく質の量なので殻は含みません。あくまで食べられる部分だけ。可食部はおよそ重量の4分の1ぐらいらしいので、650gぐらい必要ってことになります。パック3つぐらい…のシジミの身だけを食べるっていうのはちょっと現実的ではないですね(笑)
やっぱりメインで食べるなら卵、肉、チーズで足りない分はプロテインになりそうです。
良質なたんぱく質量早見表
10g摂れる量で計算してもらってもいいんですが、卵とかは個数で考えると思うので、もう少し分かりやすくした表を作成しました。これを元に計算すると簡単です。
食品名 | 良質なプロテイン量 |
---|---|
卵M1個(正味50g) | 6.3g |
サンマ中1尾150g(可食部105g) | 20.2g |
イワシ:まいわし105g(可食部53g) | 8.4g |
マトン100g | 14.7g |
豚バラ100g | 12.6g |
豚肩ロース100g | 15.3g |
豚もも100g | 18.9g |
鶏むね100g(皮付き) | 17.4g |
鶏もも100g(皮付き) | 14.4g |
チーズ100g(プロセス) | 19.1g |
6Pチーズ1個 | 3.0g |
牛かた肉100g | 15.2g |
牛サーロイン100g | 13.6g |
小数点まで出してますが、あくまで目安です。魚は重量、たんぱく質量も参照先でだいぶばらつきが出てきます。
正確なプロテインスコアが分からなかったんで表には入れませんでしたが、おそらくツナ缶で11gぐらい。まぐろの刺身1パックで20gぐらい。他にこれ好きで良く食べるから知りたい!っていうのがあれば、追記するので下のコメント欄か、お問い合わせフォームから教えてください。
良質なたんぱく質の1日必要量
ということで、ここまでで食品にどれくらい良質なたんぱく質が含まれているのか分かりました。長かったですが重要なのはここから。良質なたんぱく質が自分にはどのくらい必要なのか?です。
基本:体重と同じグラム数(60kg⇒60g)
閉経前女性:1.3倍(月経があるため)
慢性疾患・成長期・筋トレや激しいスポーツなど運動をしている人:1.5~2倍
ちなみに厚生労働省の食事摂取基準でもおよそ体重と同じグラム数が推奨量になっています。(スコアを考えない数字だと思いますが)
また、これは今の自分の体重ではなく、なりたい理想の体重をベースにしましょう。例えば今90kgあるとしても、理想体重が75kgなら摂る量は75gを基準にするということです。
何をどれだけ食べれば足りるのか?計算する
ここまでで食品に含まれている良質なたんぱく質量と、自分が必要な量が分かりましたね。ということで後は計算するだけ。ここは人それぞれ必要量、何を良く食べるか?にもよると思うので、管理人の計算例を最後に出して終わりにしましょう。
管理人スペック:身長180cm 体重72kg
『結構筋トレしていて、もう少し脂肪落として筋肉付けたい』ということで目標体重を75kgに仮に設定。結構筋トレしているってことで必要量は1.5~2倍としてみる。
となると必要になる良質なたんぱく質量は75kgをベースに1.5~2倍。ってことで、112.5~150g。
後は上の表を見ながらこの数字を満たすように食材を選んでいけばOK!
- 鶏もも1食で半分(150gぐらい)は食べるかな⇒21.6g
- 豚バラしゃぶしゃぶも同じくらい(150g)⇒18.9g
- 卵は昼夜2個ずつで4個⇒25.2g
- 6Pチーズ1日に3個食べよう⇒9.0g
合計:74.7g
食事はこれで、残り足りない分はプロテインで補えばOK。商品によってどれだけ含まれているかは違うので注意が必要ですが、今飲んでいるビーレジェンドプロテイン
これだと1食20g摂れます。ただ厳密にはホエイがプロテインスコア100かどうか分かりませんでした…(ソイなどは低くなるようですが)
ですが厳密に測って飲むわけではないので、ちょっと多めに入れて飲めばOKとしています。スプーン1杯が1回量ということなので、僕は大盛りで1杯にしています。20g×3回飲めば合計134.7g。これで目標量に届きますね!
ということで管理人の場合、
- 朝:プロテイン
- 昼:豚バラ150gしゃぶしゃぶ+卵2個(卵焼きとかゆで卵)
- おやつがわり:プロテイン
- 小腹が空いたら6Pチーズ
- 夜:鶏肉150gステーキ(照り焼き、塩コショウ、わさび醤油とか)と卵2個
- 風呂上がり:プロテイン
みたいな感じでローテ組んでます。これに付け合せの野菜、卵はスープに入れてみたり、ですね。何も知らない人がこの食事内容見たらたぶん引きます…(笑)
まとめ
今回はプロテインスコアとそこから自分にどれだけのたんぱく質が必要なのかを見てきました。正直結構な量を摂らないとダメっていうのが良く分かったと思います。
もちろん足りてないからといってすぐに問題は起こりません。人間の体はうまくできていて、足りない分は古いアミノ酸(死んだ細胞を分解して作る)を使うことで対処しています。
が、古いアミノ酸を繰り返し使っていれば、健康な細胞を維持できなくなるのは想像できますよね。それに内蔵の修復が優先されるので、髪や肌、爪は後回しで髪が薄くなったり、シワができてきたりします。たんぱく不足が続くことで慢性疾患に繋がってくる…だからしっかり『良質な』たんぱく質摂りましょうっていうのが高たんぱく食の考えです。
ちなみに管理人はたんぱく質ガッツリ摂るようになって乾燥肌はなくなりました。さらに胃も丈夫になったからか量食べられるようになりました。一時期無茶なダイエットしてたときがあって、かなり体ボロボロになってたんだろうなぁ…と今では思います。
それと最後に補足を。
最重度タンパク不足患者への対処法は、
いきなりプロテイン20g(60cc)*2では消化吸収できない。
この量で始めたら、”私にはプロテインを飲むと調子が悪くなるので、プロテインが合わない”などと言われてしまう。
そのため、5g(15cc)*3の少量頻回で開始する。
1~2ヶ月続けると、徐々にタンパク質の吸収能力が向上するので、プロテインを増やすことができるようになる。
重度のたんぱく不足の場合、たんぱく質、例えばお肉を食べると胃がムカムカする、最悪嘔吐してしまう方がいるようです。できる範囲で少しずつ増やしていきましょう!