「糖尿病予備軍」と診断されたら、糖尿病にならないように予防していかなくてはいけません。そのために一番大切なのは食事です。
糖尿病予備軍のための食事というのはどのような食事なのでしょうか。難しいイメージがあるかもしれませんが、ポイントを抑えれば難しいことではありません。また、特別な食事のイメージがあるかもしれませんが健康な人も一緒に食べられるメニューです。
糖尿病予備軍の人のためのレシピのポイントや注意点をご紹介していきます。参考にしてみてください。
「糖尿病予備軍」とはどういう状態?
「糖尿病予備軍です」と診断されても「予備軍」なので糖尿病ではない、と安心している人もいるかもしれません。まずは糖尿病予備軍が一体どのような状態を見ていきましょう。
2型糖尿病というのは、突然発症する病気ではありません。何年もかかって血糖値が高くなり、糖尿病になるというケースがほとんどです。糖尿病予備軍というのはまだ糖尿病というほど血糖値が高くないけれど正常より高い状態です。「糖尿病の境界型」と呼ぶ場合もあります。
糖尿病予備軍になっても、自覚症状はありません。なので「食事療法や運動は必要ない」と考えてしまう人も多いでしょう。ですが、糖尿病予備軍になると体の中ではすでに変化が起こています。
血糖値を下げる働きをするインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりという状態になりつつあります。インスリンの効果が薄れると、血糖値はどんどん高くなってしまいます。
そして高血糖の状態が続くと全身の血管にダメージを与えます。動脈硬化はもちろん、心臓や脳血管の病気のリスクが高くなります。もちろん、放っておけば糖尿病になってしまうリスクも高いです。
糖尿病は一度発症してしまうと完治が難しい病気です。予備軍の段階で気が付いたのなら、生活習慣を見直して糖尿病にならないように予防をしましょう。
- 少しでも運動をする
- (肥満の場合)体重を減らす
- 禁煙をする
- ストレスをため込まないようにする
などが重要になってきます。そして、一番大切なのは食生活の改善です。
糖尿病予備軍の食事で注意する点は?
「糖尿病予備軍の食事メニュー」というと、難しい感じがすると思いますが、実はそれほど難しくありません。特別なメニューでもないんです。簡単にいうと、
- 適度な量を摂る
- バランスよく栄養を摂る
- 適切なタイミングで食べる
ということを守ればOKなんです。1つ1つ見ていきましょう。
糖尿病予備軍の食事の注意点1:適度な量
糖尿病を発症する人には肥満の人が多いです。まずは食べ過ぎていないかどうかを見直してみてください。
1日に必要なエネルギー(カロリー)量は
標準体重×身体活動量
です。
<標準体重>
身長(m)×身長(m)×22
<身体活動量>
- 軽労作(デスクワークが多い人、主婦など):25~30(kcal/kg標準体重)
- 普通の労作(立ち仕事が多い人、毎日1時間程度運動する人):30~35(kcal/kg標準体重)
- 重い労作(力仕事が多い人、毎日2時間以上運動する人)35~(kcal/kg標準体重)
例えば、身長170cmで身体活動量が軽労作の場合は以下の通りです。
標準体重:1.7×1.7×22=63.58kg
1日に必要なエネルギー量:63.58×25~30=1,589~1,907kcal
簡単にでもいいのでカロリー計算をしてみて1日の食事を食べ過ぎていないか見直してみましょう。そして、適切なカロリーになるように改善していきましょう。食事のカロリー計算は下記のサイトで行うことが出来ます。
CLUB Panasonic | ダイエットナビ | ダイエットカロリー計算
スマホで簡単にカロリー計算できるアプリもたくさんあります。スマホですと外食した時などもすぐに計算できるので便利です。利用してみてはいかがでしょうか。
「あすけん」カロリー計算・体重管理・食事記録:
Googleplayからダウンロード
Itunesからダウンロード
カロナビ:
Googleplayからダウンロード
シンプルダイエット:
Itunesからダウンロード
糖尿病予備軍の食事の注意点2:バランスの良い栄養
自分が摂取すべきカロリーが分かったら、次は何を食べるかです。
必要なカロリーの中で
- たんぱく質
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
をバランスよく食べるようにしましょう。
ご飯やパンなどの主食、甘いものなどは糖質を多く含みます。糖質を摂りすぎると血糖値が急上昇してしまいますので糖質は控えるようにしましょう。
実際のレシピのポイントは次の章でご説明します。
糖尿病予備軍の食事の注意点3:適切なタイミング
糖尿病予備軍の食事は、朝昼晩規則正しく食べることが大切です。間食はなるべく控えましょう。甘い飲み物も避けたほうがいいです。間食をすると血糖値がしっかり下がらずに高血糖の状態が続いてしまいます。

糖尿病予備軍の食事レシピのポイント
糖尿病予備軍になってしまったからといって特別な食事をしなくてはいけないということはありません。先ほどお話しした通り、
- 適度な量
- バランスの良い栄養
- 適切な時間
というのを守っていれば、食べてはいけない食品もないのです。
もちろん、嗜好品など食べないに越したことはないものはあります。好きな食事を好きなだけ食べていいという訳ではありませんが、「食べてはいけない食品はない」というだけでも少し気が楽になりますよね。
では、糖尿病予備軍の食事のレシピのポイントを見てみましょう。
レシピのポイントは?
糖尿病予備軍の人にとって重要なのは「血糖値を急上昇させない」ということです。そのためにはどのようなことに気をつければいいのか3つのポイントがあります。
1.主食、主菜、副菜をそろえる
バランスの良い栄養を摂取しなくてはいけないので、麺類や丼物など1品で終わってしまう食事はおすすめしません。
- 主菜(肉や魚などたんぱく質のおかず)
- 副菜(野菜中心のおかず)
- 汁物
- 主食(ご飯やパン)
という食事メニューを選ぶだけでも栄養バランスは自然と良くなります。特に今まで一品料理ばかり食べていた人ならこれだけでだいぶ違いますよ!主食の量は100~180gほどにしておかずをしっかり食べましょう。
食べる時は、
野菜→たんぱく質→主食
という順番にすると血糖値の急上昇を抑えることが出来ます。順番に食べるという意味でも1品料理よりも主菜、副菜を用意することが大切なんです。
2.調理法や調味料に気をつける
糖尿病予備軍になったらカロリーコントロールが大切です。食材は気をつけていても、意外とカロリーを上げてしまっているものは調理法と調味料です。
揚げ物、油炒めなど油を使う調理法はそれだけでカロリーが上がってしまいます。蒸す、茹でるなどの調理法を多くすることをおすすめします。1食の中で油を使うおかずは1品、多くても2品を心がけましょう。
調味料も油と砂糖を使用しているものは控えるようにしましょう。ドレッシング、ソースなどは栄養成分表示をしっかり確認して購入してくださいね。ノンオイルのドレッシングに砂糖がたっぷり入っていたりするので注意してください。
主食を玄米や全粒粉に変える
精製された小麦で出来たパンや麺、精製された白米はほとんどが糖質で出来ています。ですから、血糖値が急上昇しやすい上に、栄養価も低いです。
主食を
白米→玄米、雑穀米
白いパン→全粒粉パン、ライ麦パン、低糖質パン(糖尿病予防におすすめのパンについて詳しくはこちら)
麺類→全粒粉麺、そば
に変更するだけでも栄養バランスが良くなるんですよ。
玄米や全粒粉などは食物繊維やビタミン、ミネラルなども豊富に含まれているのです。あれこれ考えておかずを用意するよりも、主食を変えるだけというのはとても簡単です。ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、血糖値の上昇度合いを示すGI値も低いです。精製された小麦や白米を食べるよりも血糖値の上昇が緩やかになるといわれています。
糖質量を減らすに越したことはありませんが、GI値が低い食品に変えるだけでも数値に違いが出ることもあるんですよ。

具体的な食事メニューが紹介されているサイト
最後に、糖尿病予防におすすめの食事メニューが紹介されているサイトを紹介します。この通りに作らなくてはいけないという訳ではありませんが、一度目を通しておくだけでも参考になりますよ。
クックパッドにも糖尿病の方におすすめのレシピがたくさん紹介されています。参考にしてみてください。
クックパッド | 糖尿病予防の検索結果
まとめ
糖尿病予備軍のための食事、というと難しいイメージがあるかもしれません。ですが実際は、
- 適度な量
- バランスの良い栄養
- 適度なタイミング
という3つを守るだけでも予防になります。改めて考えてみると守れていない人も多いのではないでしょうか。
この3つを守っていれば糖尿病だけでなく、生活習慣病の予防、肥満の予防、解消にもつながります。糖尿病予備群の方だけでなく家族みんなで食生活を改善してみてはいかがでしょうか。
難しく考えすぎてしまうと長く続けられません。無理のない範囲で食事療法を始めてみてくださいね。