
このページはナイアシン(ビタミンB3)についてです。期待できる効果や飲み方に関する注意点など、書籍や先生方のツイート、ページの情報からまとめています。
ナイアシンについて
ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称。(ニコチン酸という名前だがタバコとは特に関係ない)
ビタミンC(C6H8O6)よりまだ小さい14個の元素(C6H5NO2)でできていて、体内で非常に多くの反応の補酵素となる。体内ではNAD、NADPに変換され、ヌクレオチド合成(DNA→RNA→タンパク質合成)に必要なので最重要の物質。
アミノ酸のトリプトファンから60分の1がナイアシンに変換されると言われている。そのため厳密にはビタミン(体内で合成できないものがビタミンとされる)ではない。
ナイアシンはヒスタミンやプロスタグランジンを放出させるので、血管透過性亢進、血管拡張作用、腺分泌の促進によって様々な効果をもたらす。同時にナイアシンフラッシュが起こる可能性もあり注意が必要。
ナイアシンに期待できる効果一覧
コレステロール値の改善、インスリン抵抗性の改善(感受性を高める)、インスリン分泌の改善、耳鳴りの改善、髪質改善(白髪、薄毛、細毛の改善)、統合失調症の改善、不眠の改善(セロトニン・メラトニン合成に必要なトリプトファンがナイアシン合成に使われるため)、うつ病の改善(不眠と同じ理由)、ペラグラの改善、二日酔い防止(アルコール代謝にナイアシンが必要)、寿命の延長(NADが酸化したNAD+が増加することでミトコンドリアの機能が回復し、若返りを引き起こしたという研究がある)、アレルギー症状の緩和(ヒスタミンを減らすため)
ナイアシンそのものの効果はもとより、ヒスタミンによる効果もありそうですね。実感はできないでしょうが、寿命延長は大きい効果だと思います。
糖尿病の方はコレステロール値の改善やインスリン抵抗性の改善効果が見込めるので、ナイアシンは摂取していきたいですね。(ただし3000mgを超えると逆に血糖値や痛風が悪化する可能性あり)
その他積極的に摂りたいのは睡眠障害のある方、統合失調症やうつ病の方。後はアレルギーのある方。日常だと血行改善による髪質改善や耳鳴りの改善でしょうか。
アルコールを大量に飲む人は飲んだ後にナイアシンを摂ることで、二日酔いになる可能性が低くなります。(そもそもそんなに飲むなというのはさておき)
毒性・副作用について
吐き気や頭痛が稀に起こる。胃への刺激は強めなので、できればしっかり食べた後、もしくは高たんぱくをしっかり継続して胃が強くなってからにしたい。
副作用ではないが、それよりもヒスタミンやプロスタグランジンによるナイアシンフラッシュに注意したい。
フラッシュが出た場合、皮膚の紅潮、かゆみ、ヒリヒリした感じが出る。本来悪いものではなく1時間~2時間ぐらいで収まるが、これまでの生活で大量にヒスタミンを溜め込んでいたり、一気に増やしたりすると長時間続く場合も。(中には数日続いて我慢できず病院へ行かれた例もあります)
抗ヒスタミン剤やステロイドなどでヒスタミンを溜め込んでいると思われる場合は必ず少量から。飲み方については後述。
また高用量のナイアシンはAST(GOT)、ALT(GPT)の値が通常の2~3倍に上昇することがある(3~4人に1人ぐらい)が、一時的なもので害はない。ただ再検査になるため、血液検査の5日前からナイアシンを中断しておくと正常な数値が出る。(できれば1週間前から中断しておく)
またアルコール分解に利用されるので、お酒を飲む時に摂るとフラッシュは起こりにくい上、二日酔いにもなりにくい。(ホステスさんがよく飲まれているらしい。小西先生談)が、ナイアシン摂取からアルコール摂取まで時間が空くと、アルコールの血流増加とヒスタミンの血管拡張が重なり、ひどい場合は全身真っ赤、痒くて寝れないとかになるので注意。(経験談)
より詳しい副作用については以下を参考に。
上記は素のナイアシンについてで、
- ナイアシン徐放剤 – 1日2000mg以上で肝障害の可能性がある
- ナイアシンアミド – 1日3000mg以上の摂取で肝障害の可能性がある
ということで、徐放性の多く、またアミドに関してはこの量を超えて摂取しないようにしておくと安心です。
【追記】
即放性製剤では,紅潮(プロスタグランジンを介する)がより多くみられる。紅潮は,アルコール摂取,有酸素運動,日光曝露,および香辛料の効いた食品の摂取後に,より強くなることがある。
ということなので、普段フラッシュしないけど、こういう場合はフラッシュする可能性あり。(日光暴露、運動後のフラッシュは経験済み)
【21.02.06追記】
ヒスタミンやプロスタグランジンは炎症を起こすので、一時的であれば血行促進などいい影響があります。が、毎日・毎回フラッシュしていると炎症によって免疫力が下がって風邪を引きやすくなったりするので注意。
フラッシュするような食生活が原因ではあるものの、連日フラッシュする場合は一旦量を減らして食生活を見直してから。その後に増やすかどうか決めましょう。
【21.03.29追記】
フラッシュのタイミングですが、糖質を摂ってインスリンが出ている場合、インスリン濃度が下がった後(食後1~2時間後)にフラッシュしやすい感じです。糖質がある=インスリンによって脂質代謝が強力にブロック、インスリン濃度が下がると脂質分解が始まり、ヒスタミンやプロスタグランジンが放出される…ということかも。
おすすめのサプリと量

サプリに関しては海外のものがおすすめです。理由はこちら。

ナイアシンのサプリは4種類あります。
- ナイアシン=通常タイプ。フラッシュあり。
- 徐放性(Sustained Release)=ゆっくり放出されるのでフラッシュは軽微。
- ナイアシンエステル=フラッシュなし(フラッシュフリー、ノンフラッシュという表記)
- ナイアシンアミド=フラッシュなし。B50などに含まれる。
徐放性は調べている中で初めて見ましたが、このNowのナイアシン500mgは説明を見る限り徐放性のようですね。持続放出と書かれています。(持続放出じゃないNowのナイアシンもあり)
素のナイアシン>徐放性>エステル>アミド
この順に効果が強い分、フラッシュも起こりやすいようです。
またアミドは2000mg以上で肝障害の可能性があるので1500mg程度にしておきましょう。B群に入っているのも基本アミドなので総量に注意。(といっても50mgとかなので気にする必要はそれほどないですが)
より詳しくは水野先生の記事を参考に。
ちなみに藤川先生のブログでは
こちらが紹介されていました。アミドに関してはNowのナイアシンアミド500mgのようです。
ただし藤川先生はアミドは摂っておらず素のナイアシンのみ。朝500、昼500、夜に1000~1500摂って、全部で2000~2500mg。ということですが、飲み方に注意が必要なのでいきなりコレを真似しないように。
ナイアシンの飲み方(最新版)
まず、ナイアシンアミド500mg*3(朝昼夕1錠)をC1000*3(朝昼夕1錠)併用下で開始。
↓
次の週、ナイアシンアミド500mg*6に増量(朝昼夕2錠)、C1000*3は継続。
もし吐き気が出れば吐き気のない量まで減量。
↓
ナイアシンアミド500mg*6を継続できても症状改善が不十分なら、1ヶ月後からナイアシンにシフトして行く。具体的には、ナイアシンアミド500mg*5(朝2,昼2、夕1)+ナイアシン500mg*1(夕)。
激しいフラッシュが出たら、元のナイアシンアミドのみに戻す。
↓
フラッシュが軽度なら、徐々にナイアシンアミドをナイアシンにシフト。
ということでビタミンCを飲みながらアミドを3000mgまで増やしていき、その後ナイアシンにシフトという飲み方がおすすめされています。
ただアミドの場合、素のナイアシンほど即効性がないので、効果が出てくるまで3ヶ月必要とのこと。(メンタルの不調に対しての効果)
またそもそもプロテイン20g×2を飲める前提の話なので、プロテインが飲めない状態でナイアシンは飲まないようにしましょう。
いきなり多い量を試したり、一気に増やすとフラッシュが出たり、胃がやられる場合が多いです。吐いたり頭痛の報告もあるのでじっくり増やしていきましょう。
フラッシュが出にくいおすすめの飲み方:
- ナイアシンアミドからスタート(500mgから)
- ナイアシンアミド1500mg(朝昼夜500ずつ)まで増やす
- そこに素のナイアシンを追加(100mgから)
- ナイアシンアミド1500mg、ナイアシン1500mgまで増やしていく
- より効果を求めるならアミドを素のナイアシンに切り替えていく
- 素のナイアシンのみで3000mg飲めるとかなり良くなる
(素の100mgナイアシンはSource Naturals、Solarayあたり)
アミドはフラッシュが出ないので一気に1500mgまで増やしてもいいかもしれません。ただし素のナイアシンを増やしていくスピードはゆっくりと。急ぎすぎるとフラッシュが出たり、胃がやられたりします。
それと増やす時は1回に飲む量を増やすのではなく、時間を空けて(朝昼夜など)飲む回数を増やして量を増やしていきましょう。(1500mg飲むとして、朝にまとめてではなく朝昼夜で500mgを3回に分けるなど)
ただしこれはフラッシュが出にくい飲み方です。フラッシュ自体はそもそも悪いものではないので、僕みたいに一度はフラッシュ経験してみたい人とか、フラッシュしないとスッキリしないって人は素のナイアシンからスタートでいいでしょう。猛者になるとフラッシュしないと物足りないと感じるようです(笑)
後ポイントとしては
- 空腹時に飲まない
- 冷たい水で飲む
- 量を増やす時は寝る前、夜がいい
- ビタミンCを1週間前から飲んでおく
この4つ。
メガビタグループではプロテイン飲んだだけの状態でナイアシン摂って吐いた、頭痛がしたという人もいます。なるべくしっかり食事をした後がいいでしょう。
それと量を増やすとき、例えば500mg×3回(朝昼夜)飲んでる時にさらに500mg追加する場合はまずは夜に追加するのがおすすめです。寝ている間はフラッシュを感じにくい、日中ナイアシン飲んでいたらヒスタミンは出てしまっているからフラッシュしにくい、フラッシュの後の体温を下げる効果が入眠に効果的、というのが理由です。
またビタミンCはヒスタミンを破壊するので、1週間前から飲んでおくとフラッシュが出にくくなります。
実際に飲んでみてどうか?量と実感について
飲み方の記事に出会う前に、藤川先生のブログで
健常女性は、100mgで開始。
男は黙って500mgで開始。
と読んでいたので、他何も調べず素のナイアシン500mgからスタート!(笑)
たまたま始めた日はお酒を飲んでいたのでフラッシュをほぼ感じず。(ナイアシンがアルコール分解に使われた)が、次の日はしっかりフラッシュ!
顔がしびれる感じ、カーッとなって、頭のてっぺんがシビシビしてくるのが始まり。それが首筋に伝わっていき、首周り、そこからお腹や腕に。太もも、最後はくるぶしあたりまで痺れが伝っていき真っ赤に!そして痒い!
結局初回30分後ぐらいから2時間ぐらいで収まりました。ただ日を追うごとにだんだんフラッシュしなくなり、1時間半後とかに首周りがちょっと赤くなるだけ、みたいに。
知ってると別に怖いものでもないし、逆に頭がスッキリ、全身爽快感に包まれるので一度は経験しておいていいと思います。
それと花粉症対策にナイアシン飲んでヒスタミンを枯渇させておくと症状が出なくなるということで1日3000mgまで一気に増やしてみました。確かに症状ほぼゼロ。朝のフラッシュの間だけ症状出る程度。素晴らしい…!
ただ一気に増やしすぎた+空腹時に飲んでいたため、しばらくしてから胃に…ということで休んだ後に量減らしました。(特にB群は胃腸にきやすい。なるべくしっかり食べた後に)
今は1日1500mgにしています。500mgだとフラッシュ全くしなくなりました。まだ花粉の時期ですが、それでも薬ゼロ、症状もほぼゼロで過ごせているので快適ですね。一度出し切ったのが良かったのかもしれません。
【19.06.02】
その後も1日500×3で継続中。初めの頃とは違い全く読めない時間にフラッシュすることが出てきました。(それまでは1~1.5時間後で2時間後にはフラッシュ終了が多かった)気になってメガビタグループで調べたところ、その日の体調で大きく変わるようですね。
他に調べてみると糖質を摂ると炎症が起こりやすいので、直後ではなく次の日とかにフラッシュしやすいようです。
何にしても体調も問題ないので、時間がズレても特に気にする必要はなさそうです。
【20.08.20】
ズレて起こるフラッシュですが、副作用の部分に追記しておきました。日光暴露や運動後にフラッシュは経験済み。香辛料でも起こるようなのでちょっと覚えておくといいかも。(人前でフラッシュを避けるために)
【21.02.06】
副作用についてさらに追記。今は朝プロテインとヨーグルトのみなので朝は飲んでいません。昼500mg、夜500mg。たまにフラッシュさせるのはいいですが、連日フラッシュするような量は止めましょう。(経験談)
まとめ
フラッシュには注意が必要ですが、寿命延長など大きな効果が見込めるのがナイアシン。フラッシュが怖ければ、飲み方で解説したように徐々に増やしていくことでフラッシュは起こりにくいはず。
糖尿病の方だとインスリン抵抗性の改善が見込めるので、積極的に摂取していきたいビタミンです。花粉症とかアトピーとか、アレルギーにも効果が見込めるので、注意しつつ摂っていきたいですね。
- B群の一つ。B3がナイアシン
- 寿命延長や不眠、統合失調症の改善などに効果あり
- フラッシュ自体は悪いものではないが、これから始める方は飲み方に注意が必要
- フラッシュさせたくない場合はナイアシンアミドからスタート
- 素のナイアシン3000mg飲めるようになるのがベスト
書籍・引用ページ・ツイートまとめ
書籍一覧
ビタミンのすべて: 山本義徳 業績集 6ページ一覧
この本は私にとってバイブル! | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
3~6歳児のナイアシンアミド | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
ナイアシンのポジティブな副作用とネガティブな副作用について~その2 | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
15)Abram Hoffer、ナイアシンのポジティブな副作用とネガティブな副作用 | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
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睡眠障害には、やはりナイアシン | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
睡眠薬依存(ベンゾジアゼピン依存)にはナイアシン | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
ナイアシン、スタートアップ | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
栄養素についてのまとめ、1.ナイアシン | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
ナイアシンはコーディングとATP合成に関与して寿命を延長する | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
「ナイアシン」藤川徳美先生との対談・インタビュー | 日本カウンセリングサービス
Niacin Side Effects in Detail – Drugs.com
ナイアシン – 09. 栄養障害 – MSDマニュアル プロフェッショナル版
ツイートまとめ
ナイアシンに関するツイートピックアップ。全てをまとめているわけではないのでご注意を。
ウコンより効くナイアシン。
かゆさにご注意。 https://t.co/A1HZK7CxIk
— 水野 雅登 (@masa_doc) February 24, 2019
ナイアシン飲んだすぐ後にアルコール、なら分解に使われるのでフラッシュは起きにくいようです。(ホステスさんがよく飲まれているらしい)
ナイアシン、
胃にもご注意。 https://t.co/wuCBH7Py0M— 水野 雅登 (@masa_doc) March 4, 2019
ナイアシンで良く眠れる。 https://t.co/PDKEDpjK9J
— 水野 雅登 (@masa_doc) March 3, 2019
花粉症対策
ベストセラー著者、テレビ・ラジオ出演ドクターがついに公開!
百獣の王じゃない一般人でも使える!
薬に頼らず100%花粉症に勝てるシンプルな「3つの戦略」。
ここから開始!
— 水野 雅登 (@masa_doc) 2019年3月7日
大前提: フラッシュの強さは、他にも色々な要因に左右される。
抗ヒスタミン薬はヒスタミンを溜める。
ナイアシンはヒスタミンを出す。抗ヒスタミン薬→ナイアシン
の順で摂ったらならフラッシュが強く出る可能性あり。繰り返す。フラッシュの強さは、他にも色々な要因に左右される。
— 水野 雅登 (@masa_doc) March 27, 2019
<ナイアシンはどんな風に摂るの?>
ビタミンC、1日3g (=3000mg)を1週間。
つぎに、ナイアシンアミド 1日1500mgを追加。
そのつぎに、男なら「素のナイアシン」1日500mgをさらに追加。
女性は「素のナイアシン」を100mgずつ追加。
必ず、この順で摂ること。
— 水野 雅登 (@masa_doc) March 7, 2019
ナイアシン含めて、あの手、この手で、
つるつるから芝生のように生えた人や、
総白髪から黒髪に戻った人など、
いらっしゃいます・・・。 https://t.co/9BObe0v2Qm— 水野 雅登 (@masa_doc) January 21, 2019