
このページはEPAについてです。期待できる効果や飲み方に関する注意点など、書籍や先生方のツイート、ページの情報からまとめています。
合わせてオメガ3を含む脂肪酸についてもまとめたので参考にどうぞ。
EPAについて
エイコサペンタエン酸(イコサペンタンエン酸)と呼ばれ、オメガ3脂肪酸の一つ。いわし・さば・あじなどの青魚やマグロのトロ部分に多く含まれる。同じくオメガ3脂肪酸のαリノレン酸(ALA)が代謝されることでEPAに、さらに代謝されることでDHAとなる。
αリノレン酸(ALA)⇒EPA⇒DHA
この変換には性差があり、女性の方が男性より2.5倍大きいという情報がある。さらに日本人はこの変換の酵素活性が低いと言われる。そのため、男性で魚製品をあまり食べない場合、EPA/AA比が低い可能性があり意識して摂るようにしたい。
EPA/AA比について:
AAというのはアラキドン酸。オメガ6のリノール酸から産生される。アラキドン酸(AA)が炎症作用、血液凝固作用を持ち、逆にEPAやDHAは抗炎症作用などがある。AAの比率が高まると炎症、血栓を引き起こしやすく、動脈硬化が進みやすい。
(これはαリノレン酸⇒EPA⇒DHA、リノール酸⇒アラキドン酸の変換は同じ酵素を用いるため。リノール酸が多いとαリノレン酸をEPAに代謝しにくくなる)
EPA/AA比0.29未満だと心血管疾患発症率が高いというデータがある。
脂肪酸の種類について
オメガ3とかオメガ6とか、今一分かってなかったので簡単にまとめてみました。
脂肪酸の分類 | 脂肪酸名(一例) | 摂れる食品 | |
---|---|---|---|
飽和脂肪酸 | ラウリン酸 パルミチン酸 |
ココナッツオイル バター 卵や肉の油 |
|
不飽和脂肪酸 | オメガ3脂肪酸 | αリノレン酸 EPA DHA |
エゴマ油 シソ油 亜麻仁油 魚油 |
オメガ6脂肪酸 | リノール酸 アラキドン酸(AA) |
コーン油(マーガリンなど) 大豆油 グレープシードオイル |
|
オメガ9脂肪酸 | オレイン酸 | オリーブオイル なたね油(キャノーラ油) べに花油 |
赤字が体内で合成できない必須脂肪酸。EPAやDHAは体内で変換できるので厳密には必須脂肪酸ではないですが、先に書いたように変換率が低い場合があるようなので、必須脂肪酸に当たります。
その他、オメガ5(ポメグラネートシードオイルに含まれるプニカ酸)とかオメガ7(マカダミアナッツオイルに含まれるパルミトレイン酸など)というものもあるようですが、マイナーなので除外。
脂肪酸についてはこのあたりも参考に。
EPAに期待できる効果一覧
抗炎症作用、脂質代謝の活性、動脈硬化の予防・改善、タンパク分解の抑制、タンパク合成の増加
抗炎症作用、動脈硬化の予防については先に触れた通り。
脂質代謝の活性というのは、EPAがPPARα(β酸化に関わる)を活性化させるため。魚油がダイエットにいいと言われるのはおそらくこの部分。痩せ目的で摂るのもいいですが、それよりは糖質オフやカルニチンの方が重要度は上なので、ちょっと覚えておくぐらいでいいかも。
またタンパク分解の抑制、タンパク合成の増加作用を持つので、バルクアップに役立つ可能性は高いです。トレーニーは意識して摂っておくといいかもしれません。
ちなみに動脈硬化の改善となると
EPAに関しては誤解が激しい。
動脈硬化の状態維持ではなく、「治す」なら全く一般的な話ではなくなる。
純度100%近くのEPA「のみ」を1日3000mg摂る。
これくらいしないと、動脈硬化は治っていかない。 https://t.co/h8k8aDe0w5
— 水野 雅登 (@masa_doc) January 8, 2019
というように、単体のEPAで摂る必要があるそうなので、その場合は食品ではなくサプリを選ぶようにしましょう。
EPAを含む食品と量について
単体のEPAは必要ないかも?という人のために、普段の食事でどのくらい摂れそうか見ておきます。
まずどれぐらい摂りたいのか?ですが、摂取量については厚労省の食事摂取基準(2015年版)でも目安量のみ。必要量や推奨量もないので、EPA/AA比を見て必要なら増やす、十分ならそのままの食事、というのでいいでしょう。(目安0.3以上)
EPAを含む食品は
ここにあるように、特にいわし、まぐろのトロ、さば、マダイ、ぶりと青魚や油の多い魚中心。酸化しやすいので生、お刺身食べるのが一番効率良さそうですね。ちなみに
化学分析の結果、保持率は、焼きの場合、EPAで約88%、DHAでは約85%でした。一方、フライの場合、それぞれ約49%(EPA)、約55%(DHA)でした(右図参照)。明らかに、焼き魚のほうが、EPA、DHAの保持率が高いことがわかりました。
ということで、生がダメでもフライよりは焼きで食べるとEPAは豊富なようです。まぁ好みはあるのでフライが好きならフライでも。(効率は悪いですが)
他サバ缶、イワシ缶といった缶詰はあまり酸化していないという情報があるので、缶詰からEPAを摂取するのもおすすめです。保存が効くのも大きなポイントですね。
またEPAではなく、ALAで摂るならシソ油、アマニ油、エゴマ油。最近は酸化しないボトルのものが売られているのでこういうのがおすすめ。
こういうタイプじゃない場合、ビタミンEカプセルの中身を入れることで酸化をある程度防げます。ビタミンEを飲んでいる場合は入れてみましょう。また、油以外ではくるみがALA豊富なので、おやつにナッツ食べるのもいいですね。
それと日本人は酵素の活性が低いと言われているんですが、
そう、アマニ油やエゴマ油は、EPAになかなか体内で変換されないか疑惑がありました。
ですが、実際にアマニ油やエゴマ油を摂りまくってる人のEPA/AA比を検査したら、結構上がってました。
効果ある! https://t.co/wBTXK5u0r4
— 水野 雅登 (@masa_doc) January 9, 2019
ということなので、サプリや魚が苦手ならαリノレン酸を試してみる価値は十分にありそうです。(ただ摂りまくってる、がどのくらいなのか分からないので個人差はかなりありそう)
毒性・副作用について
魚油なので特にないが、稀に消化不良、下痢など。血が止まりにくくなる効果も。
おすすめのサプリと量

サプリに関しては海外のものがおすすめです。理由はこちら。

藤川先生が紹介していたのはこちら。
Now Foods, ウルトラオメガ3, 500 EPA/250 DHA, 180ソフトゼリー
Nowのオメガ3。EPAが500mg、DHAが250mg。
水野先生が紹介していたのはEPAのみの商品。
Carlson Labs, エリートEPAジェムス, 1000 mg, 120ソフトジェル
動脈硬化の改善ならEPA単体。かなりのお値段。
単体EPAは高いですね。また魚油なので胃でカプセルが溶けたらニオイが上がってくる場合が多々あるようです。どれも粒が大きいようなので、魚油が苦手なら食事で意識して摂った方がいいかもしれません。
飲むタイミング・量
特になし。油なので食事のときに一緒に摂ると吸収されやすい。
実際に飲んでみてどうか?量と実感について
僕自身サプリからの摂取はしていません。海が近くて新鮮な魚をちょくちょく食べているというのも理由ですが、魚油サプリの多くは酸化してしまった状態で売られている、という情報があるため。
サプリの品質を判断するのは難しいので、それならたまに魚食べる+ALA摂取でいいかな、というのが僕の考えです。
まとめ
動脈硬化の改善を狙うならEPA単体を。ただEPA単体は値段も高いし、健康維持目的なら食事で意識するぐらいでいいと思います。
- 魚油に含まれる血液サラサラ成分
- 動脈硬化の改善を狙うならEPA単体を
- 魚が苦手ならαリノレン酸の食品(アマニ油やくるみなど)を摂るという手を
書籍・引用ページ・ツイートまとめ
書籍一覧
みるみるやせる・血糖値が下がる 最強の糖質制限ガイドブックページ一覧
オメガ3系脂肪酸 | 海外の情報 | 医療関係者の方へ | 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業
EPA・DHA|栄養素の説明|栄養療法~薬だけに頼らない根本治療をめざす、心と身体に優しい治療法。|オーソモレキュラー栄養医学研究所
リノレン酸|栄養素の説明|栄養療法~薬だけに頼らない根本治療をめざす、心と身体に優しい治療法。|オーソモレキュラー栄養医学研究所
脂肪酸による炎症の抑制|栄養素の説明|栄養療法~薬だけに頼らない根本治療をめざす、心と身体に優しい治療法。|オーソモレキュラー栄養医学研究所
オリーブオイルは危険なのか? | 精神科医こてつ名誉院長のブログ
EPAの誤解。イケてるEPAのチョイス。でもお高いんでしょう・・・? | 医師水野のアメブロ
ツイートまとめ
EPA、オメガ3に関するツイートピックアップ。
EPA 1.5級品、その2。
Minami Nutrition, Garden of Life、オメガ-3フィッシュオイル、オレンジの香り、60粒https://t.co/P6xFKxmDDD
プロダクトコード: MIN-61001
UPCコード: 5425018610013こっちも在庫ある。大体ある。 https://t.co/aMtCJvDFsy
— 水野 雅登 (@masa_doc) January 9, 2019
そう、アマニ油やエゴマ油は、EPAになかなか体内で変換されないか疑惑がありました。
ですが、実際にアマニ油やエゴマ油を摂りまくってる人のEPA/AA比を検査したら、結構上がってました。
効果ある! https://t.co/wBTXK5u0r4
— 水野 雅登 (@masa_doc) January 9, 2019
で、DHA混ざりのEPAでは、どれだけ大量に飲んでも、
EPA/AA比が、0.3〜0.6程度にしかならない。一生懸命、毎日毎日飲んでも、全くもってEPA/AA比が1.0を超えない。 https://t.co/k33zKhjpkg
— 水野 雅登 (@masa_doc) January 8, 2019
「DHA混ざりであっても、その分、量をいっぱい飲めば大丈夫」
とうのがその誤解である。そう、先に書いたようにDHAやその他に混ざっている油脂はEPAの吸収を邪魔してしまう。
つまり、DHA混ざり品でEPAを3000mg摂っても、EPAのみ3000mgを摂った場合には大きく、大きく及ばない。 https://t.co/d2AsD7b7eW
— 水野 雅登 (@masa_doc) January 8, 2019
EPAに関しては誤解が激しい。
動脈硬化の状態維持ではなく、「治す」なら全く一般的な話ではなくなる。
純度100%近くのEPA「のみ」を1日3000mg摂る。
これくらいしないと、動脈硬化は治っていかない。 https://t.co/h8k8aDe0w5
— 水野 雅登 (@masa_doc) January 8, 2019
EPA、DHAはアブラ。胆汁が出ている時しか吸収されないので、食事終了から15分以内という「食直後」が飲むタイミングです。
— 水野 雅登 (@masa_doc) October 4, 2018
EPAって?!
魚などに含まれ、血液サラサラになる成分です。しっかり摂ると動脈硬化も改善されます。
酸素に弱いので干し魚や、焼き魚ではEPAは酸化して消失しています。生、煮る、蒸すなどが良いです。
鯖缶なども密封してから熱処理してあるので、EPAは残っています。
— 水野 雅登 (@masa_doc) February 7, 2016