妊娠糖尿病の知識

妊娠糖尿病になったら食事メニューはどうする?血糖値を上昇させない食べ方は?

糖尿病になったら、食事量を抑えるというのが基本です。ですが、妊娠糖尿病の場合はどうなのでしょうか?妊娠中というのは通常よりもたくさん栄養やエネルギーが必要になります。ですからたくさん食べるのが基本です。

妊娠糖尿病の方は、血糖値の急上昇を抑えつつ、必要な栄養はしっかり摂取しなくてはいけません。自分だけでなくお腹の子供の健康にもかかわってくることですのでさらに食事が重要になってきますよね。

そこでこのページでは妊娠糖尿病の方におすすめの食べ方や、食事メニューをご紹介していきます。

妊娠糖尿病とは?

妊娠すると胎盤から分泌されるホルモンの影響でインスリン抵抗性が強くなります。その影響は妊娠後期になると徐々に増していきます。ですから、妊娠中に糖代謝異常を起こす人は少なくありません。

妊娠中に初めて発見される糖質異常には

  • 妊娠糖尿病
  • 妊娠中の明らかな糖尿病

の2種類があります。

妊娠糖尿病というのは75グラム経口ブドウ糖負荷試験という検査で

  • 空腹時血糖値≧92mg/dL
  • 食後1時間後血糖値≧180mg/dL
  • 食後2時間後血糖値≧153mg/dL

のいずれかを満たした場合に診断されます。糖尿病というほど血糖値が高いわけではありませんが、正常よりも血糖値が高いという状態です。

妊娠中の明らかな糖尿病というのは

  • 空腹時血糖値≧126mg/dL
  • HbA1c値≧6.5%

のいずれかを満たした場合です。明らかに血糖値が高い状態です。妊娠中に診断された糖尿病ですね。妊娠中の糖代謝の変化が影響している場合と、妊娠前から糖尿病であったけれど気づいていなかった場合が含まれます。

その他、元々糖尿病の方が妊娠した場合は「糖尿病合併妊娠」といいます。

いずれの場合でも、母子の健康のため血糖値のコントロールをする必要があります。場合によってはインスリン注射が必要になる人もいます。ですが一番大切なのは食事療法です。

妊娠糖尿病におすすめの食べ方


妊娠糖尿病の場合、食事でどのような点に注意すればいいのでしょうか?

摂取エネルギーはどのくらい?

妊娠中はしっかりエネルギーや栄養を摂取する必要があります。ですが、肥満の人はエネルギー制限が必要になることもあります。日本糖尿病学会では、下記の食事エネルギー量を推奨しています。

妊娠初期:
非肥満(非妊時BMI<25) | 標準体重×30+50kcal
肥満(非妊時BMI≧25) | 標準体重×30kcal
妊娠中期:
非肥満(非妊時BMI<25) | 標準体重×30+250kcal
肥満(非妊時BMI≧25) | 標準体重×30kcal
妊娠末期:
非肥満(非妊時BMI<225) | 標準体重×30+450kcal
肥満(非妊時BMI≧25) | 標準体重×30kcal

参照元:妊娠と糖尿病 | 糖尿病情報センター

BMIは「体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))」で計算してください。この摂取エネルギーは妊娠糖尿病だから特別という訳ではありません。肥満でない場合は健康な妊婦と同じカロリーを摂取しなくてはいけないのです。

また、日本産婦人科学会では普通体格の場合、妊娠の全期間において標準体重×30+200kcalを推奨しています。

どちらの方法がいいのかはいまだ検討中で結論が出ていません。どちらのカロリーにするのかは医者と相談の上決定してください。

例)155cm 50kgの人の場合

50÷(1.55×1.55)=BMI20.8

BMIは25以下ですので、摂取カロリーは以下の通りです。

  • 妊娠初期:50(kg)×30+50=1,550kcal
  • 妊娠中期:50(kg)×30+250kcal=1,750kcal
  • 妊娠後期:50(kg)×30+450kcal=1,950kcal

もしくは全期間において

50(kg)×30+200=1,700kcal

です。

思っているよりも少な目かもしれませんね。妊娠中だからといって食べすぎないように注意しましょう。

食べ方で気をつけることは?

食生活が乱れている人はまず、1日3食、適正量を食べる生活に変更します。1日の摂取カロリーを3食で均等に摂取するようにしましょう。

  • よく噛んで食べる
  • 野菜を先に食べる
  • 主食を雑穀米や全粒粉に変える

というだけでも血糖値の上がり方は変わってきますよ。

それでも食後の血糖値が高い場合は、分割食という食べ方に変更することがあります。分割食では1日の食事を6回に分けます。1回あたりの食事量を減らして食後の血糖値の急上昇を抑えます。分割食の場合、朝昼晩の食事の間に間食を挟みます。

例えば1日1,800kcalの摂取が必要な場合、下記のようにカロリーを摂取します。

  • 朝(450kcal)
  • 間食(80kcal~160kcal)
  • 昼(450kcal)
  • 間食(80kcal~160kcal)
  • 夜(450kcal)
  • 間食(80kcal~160kcal)

食事と間食の間隔は2~3時間空けるようにしてください。具体的にはお医者さんから指示があると思いますので指示に従ってください。

間食は何を食べてもOKという訳ではありません。血糖値を上げやすい市販のスナック菓子や甘いお菓子などはNGです。

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妊娠糖尿病の食事メニューの具体例


妊娠糖尿病になったらどのような食事にすればいいのか迷うと思います。難しく考えてしまいがちですが、基本的にはカロリーと栄養バランスを守っていれば問題ありません。

  • 主食
  • 主菜(肉や魚などたんぱく質の多いおかず)
  • 副菜(野菜など食物繊維が多いおかず)
  • 汁物(具材を多めにするとよりよい)

というメニューにするだけで自然に栄養バランスは良くなります。まずはここから心掛けてみましょう。

妊娠糖尿病におすすめの食事メニューを紹介しているサイト

妊娠糖尿病におすすめの食事メニューの実例を見たいという人は、下記のページが参考になりますよ!

糖尿病のあおいまる

糖尿病の方のための食事レシピを紹介しているサイトです。妊娠糖尿病におすすめのメニューのページもありますよ!

お出かけやおしゃれ好きmisaのブログ

こちらのブログは実勢に妊娠糖尿病を経験した方のものです。入院時の実際のメニューが紹介されているので参考にしてみてください。

Cosmic Jazz

こちらも実際に妊娠糖尿病を経験した方のブログです。実際に作って食べたメニューが紹介されています。

レシピサイトのCOOKPADにも妊娠糖尿病のレシピがあります。簡単に作れるメニューが多いですよ!気になるメニューを試してみてください。

クックパッド | 妊娠糖尿病の検索結果

まとめ

妊娠糖尿病になると、健康な妊婦さんよりもさらに食事に気をつけなくてはなりません。摂取カロリーを守ってバランスの良い食事を摂るようにしてください。

  • 主食、主菜、副菜、汁物を食べる
  • 野菜→たんぱく質→主食の順に食べる
  • よく噛んで食べる

という食べ方だけでも血糖値の上がり方は変わってきます。

1日3食規則正しく食べても血糖値が上がりすぎてしまう場合は、分割食という方法を取ることがあります。1日3食の食事の間に間食を挟む方法です。間食といってもいわゆる「お菓子」は血糖値が上がりやすいので避けましょう。

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妊娠中にバランスのいい食事を作るのはなかなか大変だと思います。具合が悪い時もありますしね。そんな時は宅配食を取り入れてみるというのも1つの手です。カロリーと栄養バランスの整った食事を温めるだけで食べることができます。

1日1食だけ取り入れて手間を省いたり、作れない時用にストックしておいたり、と色々な使い方が出来ますよ。糖尿病食の宅配はさまざまな会社が行っているので、自分に合ったものを見つけてみてください。

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