糖尿病と食事の知識

糖尿病の人がお酒を飲むなら?酒の種類や量に気をつけよう!

糖尿病の方にお酒というのはあまりいいイメージがありませんよね。なぜお酒は糖尿病に良くないのかその理由をご存知ですか?このページではお酒が良くないといわれている理由について説明していきます。

とはいっても、お酒が好きな人はなかなかやめることはできないと思います。お酒を飲む場合は酒の種類や量に気をつけて飲むようにしましょう。

糖尿病の方に良いお酒、悪いお酒というのはどのようなものなのでしょうか?

お酒は糖尿病に良くない?

お酒は糖尿病にあまり良くないイメージがあると思います。ですが、デンマークの研究では
「週3~4回飲酒する人は全く飲まない人に比べて2型糖尿病の発症リスクが低下する」という結果が出ています。

もちろんどれだけで飲んでもいいという訳ではありません。適量を守らなくてはいけませんよ。(適量については後ほどご説明します)ですが、アルコールが糖尿病のリスクを下げるというのはちょっとビックリですよね。

では、すでに糖尿病になってしまった人にとってはどうなのでしょうか。病気になってしまったら飲んではいけないというイメージがあるかもしれませんね。ですが、

ただし、血糖値コントロールが上手くできていない、合併症があるなどの理由で医師から止められている人は当然飲むことが出来ません。血糖コントロールが上手くできている人は適度な飲酒をしてもOKです。

糖尿病の人がお酒を飲む時の注意点

糖尿病の方が飲む場合は健康な人よりももっと気をつける必要があります。糖尿病の方にお酒が良くないといわれるのは

  • カロリーが高い
  • 糖質を含む

という理由からです。

アルコールには1gあたり7kcalというカロリーが含まれています。といっても適量飲む分にはそれほど気にする量ではありません。

お酒というのはついつい飲み過ぎてしまうもの。飲み過ぎるとその分摂取カロリーや糖質量も増えていきます。また、アルコールには食欲を増進させる働きもあり、ついついおつまみを食べ過ぎてしまうという危険性もあります。

おつまみの食べ過ぎは良くないとはいえ、食事をしっかり摂らずに飲酒をするのもNGです。血糖降下剤やインスリン注射をしている人は食事を摂らずにアルコールだけを摂取していると低血糖になりやすいです。飲酒をする場合でも食事はしっかり摂る必要があります。

つまり、糖尿病の人が飲酒をする時は

  • お酒の量に気をつける(具体的には後半説明します)
  • 食事をしっかり摂ってから飲酒する

という2点を守ってください。

酒の種類によっても違いがある!

先ほどお酒には糖質が含まれるとご説明しました。お酒の種類によって糖質の量は異なります。

お酒100gの糖質量とカロリーを一覧にしてみました。お酒100gは約100mlです。

酒の種類(目安量) カロリー(kcal) 糖質量(g)
ビール(グラス1/2杯) 40 3.1
発泡酒(グラス1/2杯) 45 3.6
赤ワイン(1杯) 73 1.5
白ワイン(1杯) 73 2.0
純米酒(1/2合) 103 3.6
ウイスキー(シングル3杯) 237 0
ブランデー(シングル3杯) 237 0
ウォッカ(ロック1~2杯) 240 0
ジン(ロック1~2杯) 284 0.1
ラム(ロック1~2杯) 240 0.1
梅酒(ロック1~2杯) 156 20.7
缶チューハイレモン(350ml缶1/3) 52 2.9

参照元:食品成分データベース(酒で検索)

糖質量はお酒の種類によってかなり違いがありますね。商品によっても多少の違いはあります。カロリーと糖質の両方とも低めなのはワインです。

ウイスキー、ブランデー、ウォッカなどの蒸留酒はアルコール度数が高いため、カロリーが高いです。水割りやソーダ割にすれば量が増えてカロリーは下げられます。

そして、蒸留酒は糖質が0です。ただし、当たり前ですが甘いジュースなどで割るとカロリーも糖質も増えますのでやめましょう。

発泡酒や第三のビールなどにも「糖質0」という種類があります。「0」という表記ですが、100mlあたり0.5g未満の糖質であれば「糖質0」という記載が可能です。実際に全く入っていないという訳ではないので注意しましょう。

梅酒やリキュール類などは果実や糖分を追加して作られているため糖質が高いです。糖尿病の方は避けたほうがいいでしょう。

糖尿病の人が飲むなら何をどのくらい?

それでは実際に糖尿病の人がお酒を飲む場合、どのくらいまでなら飲んでも良いのでしょうか?

糖尿病の方が飲んでもOKなお酒の量

厚生労働省の指針によると、1日のアルコール摂取量の目安は純アルコール量で約20gとしています。糖尿病の方の場合も、基本的には同じです。純アルコール量で約20gを目安にしてください。

純アルコール量約20gというのは具体的にどの位になるか?ですが、アルコール量は

純アルコール量=お酒の量(ml)×(アルコール度数÷100)×0.8

という式で計算できます。(具体的に何がどのくらい飲めるのかは次の項目で紹介します)

補足:
お酒を飲むとすぐに赤くなる人はさらに注意が必要です。古河栄養健康研究にはこんな研究結果があります。

古河栄養健康研究では、平成24年に質問紙調査を実施し、飲酒ですぐ赤くなる人とならない人に分けて、飲酒量と糖代謝(空腹時血糖値、ヘモグロビンA1c値1 )、HOMA-IR(インスリン抵抗性2 )の指標)、HOMA-β(インスリン分泌の指標))との関連を調べました。

その結果、お酒で赤くなる人は、赤くならない人に比べて、少量から適量の飲酒で、このHOMA-IR値とヘモグロビンA1c値が低くなる一方で、1.5合を超えると特にヘモグロビンA1c値が高くなることが今回の調査でわかりました。

引用:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター

この研究で使用されたのは日本酒で、1.5合飲んだ場合です。日本酒1.5合(約270ml)の純アルコール量は30gです。適量は20gなので、それ以上に飲んだ場合の結果ではありますが、お酒が弱い人は特に気をつけたほうが良さそうですね。

それとお酒の弱い人の適量は純アルコール量約20gよりももっと少ないという場合もあります。自分の適量を見極めるのは難しいと思いますが、弱い人は特に気をつけて飲むようにしてください。

酒の種類によって飲める量も異なる!

純アルコール量20gを基準にしたお酒の種類と適量は以下の通りです。

お酒の種類
ビール 500ml
ワイン 240ml(約2杯)
日本酒 180ml(1合)
焼酎 90ml(0.5合)
ウイスキー 60ml(ダブル1杯)


思っていたよりも少ないかもしれませんね。飲み会などに行く時はあらかじめ、あまり飲めないことを伝えておいたほうがよいでしょう。また、水も一緒に頼んでゆっくり飲むというのもおすすめです。

まとめ

糖尿病の方でも、血糖コントロールがしっかりできていて合併症などがなければ適量のお酒を飲むことができます。

適量は純アルコール量で約20g。酒の種類によって飲める量は変わってきます。アルコール度数が高いものほど量は少なくなります。ゆっくり飲むためにはアルコール度数の低いものを選ぶといいかもしれません。

適量では物足りないという人もいるかもしれませんが、長くお酒を楽しめるように量をしっかり守りましょう。また、しっかり食事を摂ってから飲酒をするというのもポイントです。

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